パンゲアパズルでプレートテクトニクスを理解しよう!
~ウェゲナーの発想力と勝負~
プレートテクトニクスを先に持ってきました。理由は明確で、昔、私が感動した物語だからです。子供心に「地球が動いている」という事は全く信じられず、びっくりしながら図鑑を読み込んでいたことを思い出します。火山や地震の事はなんとなくわかっていたのですが、それらが全て地球レベルの1連の活動のほんの一端であるということを知った時の衝撃、「地球も生きてるんだなぁ」と思ったのです。その感動を伝えたい!
実際に中学校教師になって教科書通りの順番で最初に石の授業をしたと思いますが、子供の反応が極めて悪く、私もやっていて面白くなかったのを思い出しました。すぐに授業改善を図るためにいろいろな本を読み進めていく中で、1時間の授業だけではなく単元のストーリーを大切にすることが必要だということを学びました。結局初任の時は改善することができなかったものの、2回目の1年生を担当した時から色々とチャレンジを重ねています。
授業の内容に戻ります。PowerPointを見てもらえばわかると思いますが、まずハワイのクイズからです。ハワイが日本に近づいている事、ハワイが火山でできていること、そしてホットスポットによって次々と島が生まれていることを説明することから始まります。
次に伊豆半島ですが、こちらも長い時間をかけて本州に合体して今の状態であるという動画も見つけたので紹介しました。つまり地球の表面はプレートという固い岩盤に囲まれて動いていることを実感して欲しかったのです。(ひび割れ卵のイメージって言われますね)
パンゲアパズルです。実は私、子供の頃パズルが好きで、ピースを組み立てるだけではなく、自分でパズルを作ったりもしていました。厚紙を切ったり、木の板を糸鋸で切りながら作ったりしましたが、学校では社会の地図帳を切り抜いてパズルを作って遊んでいました。世界地図版で遊んでいた時、ふとアフリカ大陸と南アメリカ大陸が合体できることに気づき、その他の大陸も合体することができると思い、いろんなパターンを試していました。ちょうどテレビでは戦隊ものシリーズが流行っていて、いろんな種類の超合金合体ロボットをたくさん発売していたのでそれをイメージしたのだと思います。
実はウェゲナーさんも同じように地図を見て南アメリカ大陸とアフリカ大陸がくっつくと考えたよう
です。そしてきちんと仮説を立て、大陸がつながっていた証拠集めに行きます。化石の分布や地層の重
なり順、その他様々なことを調べ上げ、やがてプレートテクトニクス(大陸移動説)を唱えたのです。
私も結構いい線いってましたよね。この世紀の大発見からしばらくして地球の内部構造がわかるよう
になり、ウェゲナーの死後30年ほど経過してからようやく脚光を浴びたプレートテクトニクスです。
火山や地震の内容でプレートが動くという記述がありますが、生徒は「プレート」のことは何のこと
だかよくわからないはずです。知らないことや納得いく説明のないものについては受け入れにくいと思
います。逆に理由がわかれば結構すんなりと納得してくれるはずです。だから事前にプレートテクトニ
クスの知識を教えておくのです。
授業の流れはプリントの通りです。
①まず世界地図を作る。
②ウェゲナーさんから見た世界地図を作る。ヨーロッパ中心。
③どこかくっつきそうなところはないか考え、合体させてパンゲアをつくる。
昔はノーヒントでパズルを行っていたのですが、最近はパズルの裏面に化石の
分布を示したり、氷河が地面を削った跡を印刷したものをつくりました。
つまり発掘(裏返し)をすればヒントが載っているというパズルを作ってみま
した。
正解発表は動画でみせることにします。正解したことを評価するのではなく、
仮説を立てて考えることのほうに評価のポイントをおきたいと思いますので、
生徒たちが落ち込んでいたらばぜひフォローをしてください。
この授業はとにかくテンポよく、そして好奇心を持ったまま終われるように
説明はあまり長くせず、ほどよく終わらせてください。ずっとパズルをやって
いる生徒さんもいますのでうまく切り替えをさせることもがんばりましょう。