雪ってきっとこんな感じ!

~試験管中の塩化アンモニウムの結晶生成~

 塩化アンモニウムを使った結構有名な実験です。大型試験管を使って教室の中央に生徒全員が観察できる演示実験を行ってもいいと思いますが、これもやはり1人1実験の方が観察に集中できると思います。また、繰り返し実験ができるようなシステムを作っていくことで、失敗したと思ってもリカバリーができます。そもそも失敗の定義がちょっと微妙です。

 

 実験の準備は簡単にしましょう。大きなビーカーに熱湯を入れ、塩化アンモニウムを大量に溶かし込んでいきます。ほぼ飽和してビーカーの底に溶け残りができるようになったら準備完了です。軍手持つことができる位の80℃で各試験管にどんどん注いでいきます。試験管が冷たいので一気に結晶が出てきてしまいますが、また後で温めればまた全部溶けますのでそんなに気にしないでください。50本ぐらい入れ終えたら粗熱を取ります。ある程度冷えたら色付きの水風船で蓋をします。昔、ゴム栓でやっていたのですが、再加熱の時に空気の膨張でゴム栓が発射されてしまいますので、膨張した空気分を風船の膨らみでカバーします。また別の理由もありますが、それは後ほどお知らせします。

 

雨と雪をふらせてみよう-1.jpg

 生徒実験も簡単にしておきます。あらかじめ温めて全て溶かしておいた実験セットを生徒の机に配ります。生徒は軍手をした手でもってしばらく空気中で冷やさせましょう。しばらく待っている間にガスバーナーを使って再加熱用のお湯を沸かしておきましょう。

少し冷えて60度から50度位で結晶が析出してくると一気に注目度が増します。1年生の時に再結晶の授業で同じ内容をやっているのですが、やっぱり忘れている生徒が多く、結構驚いてくれます。結晶の析出のゆっくりさに耐えきれず、試験管をシャカシャカ振って一気に全部結晶化してしまったり、一気に水道水で冷やしてしまい、決定的瞬間を見逃したりといろいろなアクシデントが起きると思いますが落ち着いて対応してあげましょう。グループの人数より少し多めに試験管を用意しておけば、改めて実験できます。しかも失敗してしまった試験管は再加熱によってまた元通りになりますので、ビーカーに入れておきましょう。

 冷やしかたにもコツがあります。試験管の上の方を濡れたキッチンペーパーとか雑巾で包んでおくとより早く結晶が析出します。上空の温度が低いことを再現しましょう。少し危険かもしれませんが、実はこの実験の時に電気を全部消します。生徒は手に持っているLEDライトで明るさを確保していますが、ここでポイントがあるのです。試験管の照らし方によって幻想的な雪の結晶のように見えたりもします。こちらがあえて指示をしなくても生徒同士でいろいろな発見をしてくれるので、結構見ていて面白いですね。

 

 そしてもう一つ仕掛けがあります。それは試験管の栓になっている水風船です。LEDライトで試験管の上の水風船の方向から光を当てると、白色光ではなくその風船の色の光となって試験管に降り注ぎます。その光景はまるでライブ会場のサイリウムとかペンライトみたいな感じになります。真っ暗な理科室が様々な光が入り乱れてインスタ映え間違えなしです。しばらくすると再結晶のほうに目が向きますのでしばらく待ちましょう。これも自然界と同じように下が熱くて上が冷たい状況ですので、最初のほうに小さい結晶は熱対流によって上昇していきますが、だんだんと結晶が大きく成長し、やがてその重みに耐えきれず下降していきます。雨とか雪とかのメカニズムとほぼ一緒ですのでそのことも併せて説明をしていいのかなと思います。実際の自然現象とは少し違うところもあると思いますが、わかりやすく印象に残ると言う点ではかなり効果的な実験だと思います。ぜひお試しください。