気団と前線​

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いざ決戦!寒気vs暖気-1.jpg
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 前線の実験は様々な実践事例が報告されています。昔からあるビデオ教材やパソコンの動画でも何かしら工夫をして生徒に伝えようとしているようです。日本の周りにある4つの気団(最近は揚子江気団を教えていない?)の性質について伝え、そこから日本の四季につなげていけるような形にしていきます。

 なんとなく違った性質のものはすぐに混じり合いそうな気がしますが、自然界では熱の移動が境界面で盛んに起こるわけではないことは、生徒のもっている自然概念とずれているので是非実験で見せてあげましょう。実際にこの実験をしてみるとほとんど動きがありません。完全に密度の違いで分かれてしまうことに驚きです。

 前線面の考え方も生徒には不思議な感じがするらしいのであえて実験を目の前で見せてあげましょう。本来であれば気体の状態でやるべきですが、気体に色をつけるのが難しいことと、どうしても煙を使うので臭いがきついこと、何度も繰り返し再現するのが難しいということで実験の工夫をしています。

 

 私は気体ではなく、粘性のある液体でこの実験をやりたいと考え、洗濯のりやスライムにして粘性を高めてゆっくりと反応が進むようにしていましたが、やっぱりちょっと準備が面倒臭い。何かいい素材は無いかと思案していると、同僚の先生に「保冷剤はどうですか?ドロドロしてませんか?」とアドバイスされたことで、教材開発が進み、なかなか良いものが出来上がりました。ちなみに着色はプリンターのインクを使っています。最近では100円均一で売っていますのでそれを活用しましょう。とてもきれいに発色します。絵の具とかペンのインクよりも透明度が高いのでこちらをお勧めします。

なお、暖気と寒気の性質の差を出すために温めたり冷やしたりもしていましたが、密度の差が出れば良いだけなので、寒気のほうに砂糖もしくは食塩を大量に溶かし込んで密度を大きくしています。このちょっとした一工夫によってうまく実験ができるのです。

 今回の実験準備で一番苦労した事はこの専用の容器です。100円均一とか東急ハンズとかホームセンターとかいろいろ回ってみたのですが、あまりいいものがありません。アクリル細工などに手を出すとさぁ大変です。自分の労働時間に対する給料の金額を考えると市販の教材を買った方がはるかに安くて合理的です。でもどうしても良い物を作りたかったのでひたすら検索です。するとある時、アーテックから出ている「まる見え!根っこ観察セット」の教材がうまく使えるのではないか?と思い立ち早速購入。仕切り板についてもある程度硬くて弾力性のあるものということでいろいろ試した結果、電気分解装置の金属板や炭素棒を支持する青いホルダーがちょうどいい大きさと弾性の材質だったのでこれを組み合わせました。正直、大発見だと思いますので、商品開発の企画書を出せばアーテックさんの大ヒット商品になるのではと個人的に考えます。

 

 いろいろ実験方法を工夫した結果、普通の前線はもちろんのこと、条件を変えることで寒冷前線や温暖前線、停滞前線や閉塞前線まで再現が可能です。ちょっと特許取りたいかも。まずは教育実践をあげたほうがいいですね。動画を上げておきますのでぜひご覧ください。

 今回の実験についてはあくまでの再現実験ですので、科学的にはそんなに意味はないと思いますが、環境条件を揃えることで前線の説明と同じことが起こせるという意味では悪くない内容だと思います。また、暖気と寒気にみたてた粘性のある液体を大量に準備しておけば、何回でも再現実験が可能です。各グループにカメラもしくはタブレット端末、iPadなどを用意して、スロー撮影ができると完璧です。自分たちの実験操作の動画を繰り返し見ることで、寒気が暖気の下に潜り込んだり、暖気が寒気の上に登って上っていったりする様子を確認することができます。少しコツが要りますが、どちらの気団の勢力が強いのかを考えながら実験を進めることもできますので、意義のある取り組みになっていると個人的には思います。みなさん是非100円均一に行って材料を揃えましょう。そしてアーテックさんの教材「まる見え!根っこ観察セット」もお忘れなく。