top of page

空気の湿り気って?湿度のお話

空気中の水蒸気・露点・湿度①-1.jpg
空気中の水蒸気・露点・湿度①-2.jpg

 いよいよ気象分野の最難関と言われる飽和水蒸気量の話になります。水が蒸発することをいくつか体験的に示していきたいので、まずは教科書にある「水たまり」の話から入ります。

蒸発のイメージを確認したいので、机を固く絞ったぬれ雑巾でさっと拭きましょう。「今日は実験をやるからいつも以上に机をきれいにしよね」とか言いながら自然に拭かせたあと机に注目をしてもらいます。天板の色が徐々に変わっていく様子が見られます。ほんの数十秒でできる簡単な実験です。水が沸騰ではなく蒸発でも水蒸気になることを確認しましょう。

 コップにつく水滴の実験は次の実験の準備も兼ねて行うと合理的です。コップの代わりにビーカーを2つ用意して片方は氷水で冷やしてみましょう。この氷水はその次の実験にも使いますので200~500mlビーカーでやりましょう。ビーカーのまわりにつく水滴の様子は一目瞭然ですので、その存在の確認をしたら次の実験です。

 

 露点の測定実験は結構誤差が出るので、2,3回繰り返して平均値を取るようにしました。先程の実験で使った汲み置きの水と氷水を試験管に入れて冷やしていく形です。もしもめんどくさければ、そのまま氷を入れていく方法もあると思いますが、この場合は温度変化が急激なので露点を正しく測定できないようです。

 授業後半の飽和水蒸気量の説明について出来る限り視聴覚教材を使うようにしています。特にグラフでの表現(特に温度変化によって値を左右にずらすようす)は板書では温度変化を動的に感じさせることができません。露点を超えてさらに冷やす場合に出てくる水滴の状態をイメージさせたいものです。そのためにいろいろ工夫をしてください。メスシリンダーを使った表現の方法もあるようです。

 最後に湿度の求め方の計算です。中学2年生なのに何故か割り算ができません。というか割り算の概念がうまくつかめていないような気がします。私もうまく説明できてはいませんが、湿度はその温度の飽和水蒸気量に対する湿り気の割合を求めるものなので、何とかその感覚をつかんで欲しいと思います。百分率ですので、最後に100をかけるのを忘れずに。

 頭の中での湿度のイメージやグラフの読み方、そして計算技能など課題がたくさんあると感じることが多く、正直不安でしかありません。文章題や計算問題などを論理的に考えることを放棄するような生徒たちが増えている気がします。「学ぶこと」に対する喜びとか新たな知識を得ることの満足感などが得られていない気がしてならないのです。日本の未来がとても心配です。

bottom of page