
脳を見てみよう!
~鶏頭水煮とピンセットで脳科学~
衝撃的な解剖実験はまだまだ続きます。今回は有名な鳥頭水煮缶を使った頭の解剖です。
解剖とは言っても必要なものはピンセット1本だけです。強いて言えば脳の断面を見るために安全カミソリを使うことぐらいかと思います。鳥頭水煮缶は1つの缶につきメーカーにもよりますが、10個から15個ぐらい入っているので、もし可能であれば生徒1人に1羽分、いつも通りの1人1実験で解剖実習をさせたいところです。予算をうまく取っておくことが大切ですね。写真や動画だけでは伝え切れない何かが実物にはあります。いつも同じこと言ってるような気もしますが…
今となってはもう慣れっこですが、私も初めてこの実験をこの実験にチャレンジしたときにかなりドキドキしたことを覚えています。缶切りで蓋を開け、中身を見たときの衝撃、いくつもの頭を取り出し、並べる作業の時に鳥と目があったような気がして、何だか申し訳ないような気持ちになった事は今でも覚えています。最近は授業の準備も非常に手際が良いので、約4缶分の鶏の頭をきれいにバットに整列し、あらかじめ冷蔵庫で冷やして、油分を少し固めた上で生徒に配布することをしています。夏場だと柔らかすぎてすぐにボロボロになってしまうこともあります。脳の摘出の時も、ある程度の硬さがあった方が、脳がバラバラに分かれにくく、一気に取り出すことができます。大脳、小脳、延髄などがまとまっていた方が、切片を作るときにきれいな断面が作れます。
また結構な油分が出てしまいますが、実験道具はあまり増やしたくありません。油分の洗浄はピンセットだけでも十分にめんどくさいですので、お皿など必要ありません。印刷室などにある裏紙や新聞紙で充分だと思います。適度に油を吸ってくれるので、机もあまり汚れません。また廃棄処分の時にも、肉や骨片などもそのまま包んで回収ができるので便利です。
