サーモイクラで気流の関係を検証せよ!
全然教科書に載っていないのですか、雲や低気圧のでき方について関係する空気の上下動について体感する実験を考えてみました。ごくごく当たり前の現象ですが、ちょっとの工夫で効果てきめんだと思います。
用意するものは氷と紅茶パックとマッチです。もし時間的に余裕があったらアルギン酸ナトリウムと水酸化カルシウムで人工イクラを作る要領で中身をサーモインクでやってみてください。温度によって色が変わる青いつぶつぶができますので事前に作っておいてください。(次の時間で説明します。)
ビーカーの中はぬるま湯が良いかと思います。理科室に給湯器があるときはそれを使って入れておくといいと思います。職員室のポットを借りて使ってもいいですよね。水でも十分にできますが、沸かすのに時間がかかりますので、うまく調達してください。実験1ではシュリーレン現象が確認できます。氷から出るもやもやが下のほうに流れていく様子を確認できるはずです。(映像は氷砂糖ですが、密度の差の問題なのでほとんど同じことです。)
実験2ではティーバックをきちんとハサミで切り、茶葉をビーカーの中に入れていきます。ティーパックの袋は後ほど使いますのでそのままきれいに保存しておいてください。底のほうに沈んだ茶葉がガスバーナーで熱せられることで浮いてくる様子を見てみましょう。補足実験として牛乳で積乱雲を作ることができますが、ほんの一瞬しかできません。ビーカーがわれないように注意しながらビーカーの中央部分を熱してください。うまく温めることができればにょきにょきっと盛り上がってくる積乱雲のような様子が確認できます。あらかじめ「積乱雲ができるよ」と伝えておくこともありかと思います。
実験3の氷を入れる実験では、まず予想をさせてください。氷は1つずつ静かにビーカーに入れて下さい。氷が溶けて密度の大きい冷たい水が下のほうに落ちていくのに引きずられて紅茶の葉っぱが落ちていきます。さあ、再度熱するとどうなるかな?ということで予想をさせるとほぼ全員が正解すると思います。
温められる ⇒ 上昇気流の発生 冷やされる ⇒ 下降気流の発生 今日のまとめはこのぐらいです。
確認実験としてサーモイクラの実験を行います。ここまでくると温めると上昇して冷やすと下降すると状況がわかってくると思います。ピンク色のサーモイクラが水面に上がってきたら氷で冷やしてみてください。条件がうまくいけば少し青くなりながら下降していくはずです。インクの温度変化は40から50度の間で変わりますので、かなり冷やさないと厳しいかと思います。改善の余地がありますのでまたチャレンジしてみたいと思います。ちなみに人工イクラの作り方は知ってますよね?もしわからなければ検索をしてみて下さい。
最後にちょっと手品です。実験1でとっておいた紅茶パックを筒状にして、上のほうに点火します。発生した上昇気流に乗って肺が空中に持ち上がります。おそらく天井まで舞い上がると思います。しばらくすると、冷やされて落ちてきますので、それをキャッチしましょう。手にはたたんだ一万円札を仕込んでおきます。あとは、落ちてきた灰を握ってもむ様子を見せると手からは10000札が、、、点火の際に生徒全員のめを紅茶パックに誘導し、飛び立つ様子に目を奪われたスキにお札を手に仕込むのです。そのあとの生徒実験でもテンションMAXで頑張ってくれますので手品の練習をしておきましょう。