分類の観点 野菜と果物の違いは?
2021年度の新規開発教材シリーズです。
分類についてのとっかかりとしてどんな授業にしようと構想中。教科書指導書を見ながら基本を外さないように考えているのですが、なかなかうまく思いつきません。
こういう時に役立つのが教科書の端っこのほうにある特集ページです。果実と種子について記載されていた果物のところをなんとなく読んで、授業を作り始めました。
途中なんとなくエンジンがかかり始め、果物について調べていくうちにどんどんと方向性がずれていたことに気づかず作ったのが今回の授業です。
内容はタイトル通り、「野菜と果物の違いについて考えよう」というものです。
実は今年度、本校では食育研究推進の委嘱を受けているため、各教科で食育に関する授業をする必要があります。これはしめたものだと思い、普段食べている野菜と果物についての違いとか境界線を考える授業としました。普段食べている野菜や果物の分類の基準を考えるというスタンスです。
用意するものは大量の野菜と果物。私は物量で勝負するタイプなので、スーパーや百均に行ってクラス全員が1つずつ手に取れるように購入してきました。最近は100円均一のプラスチックの模型のバリエーションがかなり増えてきたのでとても助かりました。悪くなったり傷んだりすることもないので繰り返し使えそうです。もっといろんなものが欲しいなと思ってしまうわけです。
肝心の授業です。まずは野菜と果物について知っているものについてたくさん書いてもらいます。あまりにも身近なものすぎて実は何も考えて食べていないという生徒さんもいました。私はこういう自由連想法の場合はクラス全員に1人1つ答えをいってもらいますので、大体40個書いてもらいます。もちろんグループでの相談はオッケーですので、グループみんなの知恵を出し合いながら全員が発言する事を目指します。
質問の2つ目は、自分で書いた果物と野菜の境界線の基準を考えてもらいます。なんとなく果物、何+野菜ではなく、根拠のある明確な基準が欲しいのです。正解でなくて構わないので自分で考えることを大切にしてほしいと思います。自由度の高い質問は結構いい意見が出ますよね。
生徒の意見をいくつか聞いたのち。世間一般的にどのように区別しているのかの説明を少しだけします。農家の人や小売店の人、そして学者の立場からの説明では、それぞれ違った見方があって自分でも面白いなと思いました。
3つ目の質問は「私が考える野菜と果物の分け方の基準」を考えてもらうというものです。あくまでもこういう分け方もできるんじゃないかと言う考え方のサンプルですので、生徒との意見のズレがまた面白いと思いながら授業を進めます。
最後に○×クイズです。
写真やスライドを駆使しながらテンポよく出題します。今日の授業で培った分類の基準で生徒たちは答えてくれます。自分が獲得したスキルをすぐに発揮することができるのは嬉しいことですね。鉄は熱いうちに打てではありませんが、大切なことだと私は思います。
学んだことがすぐに実生活に生かせるようなそんな授業になっていれば幸いです。
ちなみに今回の授業で用いた野菜は全て私が料理しておいしくいただきました。
ごちそうさまでした。