理想の動物園をつくろう!
リンネと学名について
生物の分類についてどんな授業にしようかなぁと考えていたのですが、教科書を見ていてもなかなかいいアイディアが浮かばず、悶々としていました。生徒の生活体験に基づいた授業ができればいいなと思っているので、生徒目線で考えてみると、やっぱり動物園かなと思います。教科書では10から20種類位の動物が出てきます。正直このぐらいの数であれば分類する意味合いがあまりないと思っています。美しいカラーの写真や様々なデータから哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類の5つに分けたところで何の意味があるのでしょうか?見ればわかっちゃいますよね?小学校ならいざ知らず、中学校レベルの授業とは思えません。主体的な学びとか、深い学びとは程遠い薄っぺらい知識の注入でしかないと思います。
動物園では必ず動物の名前だけではなく種や属、学名まで必ず看板に記載してあります。動物園によって展示レイアウトは違いますが、今回は生徒の発想を重視し、自由に動物の配置を考えてもらうと思いました。当初の予定ではもともと持っている大量の動物のフィギアを使ってジオラマのように動物園を作ってもらおうかと思いましたが、種や属、そして学名も意識させたかったので何かいいものはないかと検索することに。
100円均一の動物のカルタ、謎のカードゲーム等いろいろと試してみましたが、写真がリアルすぎてちょっと可愛くないのです。あきらめずに検索を続けているとかわいいイラストの動物カルタが見つかりました。一般的なものだけではなく、ちょっと珍しいかわいい動物が愛情のこもったイラストで表現されていました。そして何より私の求めていた動物の分類について、事細かに記述されていました。個人的に最近カードゲーム作りにハマっていて、スキャンしてPCで編集、加工して、名刺カードに両面印刷して、ラミネート加工することによって本格的なものを作っています。
描かれている動物は50種類。授業で使うには少し多すぎな気もしますが、少ない情報で無理矢理考えさせるよりも、たくさんの情報でグループで解決する醍醐味を味わって欲しいなと思いました。初めて見た動物もたくさん描かれており、私自身が私自身が勉強になりました。とりあえず50 × 12の600枚作りました。
ちなみに西ローランドゴリラの学名知ってますか?golira gorilla gorilla です。
さて、授業の内容ですが、各グループごとにカード一式と、プロッキーなどのマーカーペン。そして実験とかいっぱいに広がる模造紙を敷き準備完了です。
参考になるように有名な動物園のレイアウト地図(今回は旭山動物園、上野動物園、多摩動物園、横浜ズーラシアのものを用意)そして動物園紹介の動画を用意しておきます。
授業の展開についてはいつも通りの大雑把。
はじめに動画を見せて、今日の授業の内容を説明し、作業開始。動画と説明を逆にした時もあります。
授業前から机上のカードゲームに興味津々の生徒たち、特に危険なものではないので遊んでオッケー
にしてあります。可愛いイラストに心を躍らせながら授業を受けてくれる事はとても嬉しいと思います。
今日の授業のテーマは「理想の動物園を作ろう!」です。
もちろん動物にとっても人間にとっても理想的な動物園ですので、生徒一人一人が動物園クリエイター
になって、動物と人間の両方の目線で50種の動物を配置していきます。
哺乳類・鳥類・爬虫類・両生類・魚類の5つの種類に分けたがる生徒、形のみに注目して分ける生徒、
食べ物に注目して分ける生徒、生活環境に注目して分ける生徒、動物には目もくれず、ひたすら動物園
の施設を描きまくる生徒。いろんな価値観の中で、分類することの楽しさを感じてほしいと思います。
準備は大変でしたか、結構主体的な学びになっていたと思います。
答え合わせは特にしませんが、まとめの時間として、配置した動物カードを全て裏返しにして、種や属や網、学名のデータを見えるようにします。生徒たちの分類は多少のずれはあるものの、結構うまく分類できているような感じです。
あまりかっちりとした授業にはなっていないとは思いますが、分類について自分なりの視点を持って考えることができればいいのではと考えています。少し自由度は高過ぎるかもしれませんが、動物園を作っている時の生徒たちの楽しそうな雰囲気はちょっと羨ましい気もします。